2018年5月25日、国税庁は2017年度中に1億円以上の収入を得た確定申告をした人が日本全国で331人いたと発表!

2016年度にブームに火がつき、コインチェックの仮想通貨流出事件が起こる2018年1月頃までブームが継続していた仮想通貨だが、その2017年中に仮想通貨投資した人の中に仮想通貨取引において1億円以上の収入があった人が331人いたことが国税庁により明らかにされた。

ちなみに仮想通貨取引において1億円以上の収益を得た人のことを成功者の意味合いで「おくりびと=億り人」と呼び、世間では随分と話題になった。

さらに218人も億り人がいたことが判明!

驚くことにこの331人という数字は仮想通貨のトレードのみで1億円以上の収入があった人のことで、それ以外の雑所得で1億円以上の収入があったことを税務申告した人は218人いたことが判明。

つまり549人が1億円以上の収入を得ていたことになる。

雑所得区分で1億円の確定申告すると手元にいったいいくらぐらい残るのか?

仮想通貨で得た収入に対しての税金は「雑所得」に分類され、株やFXのように分離課税の適用がないのでもっとも高い税率となり、雑所得45%、住民税分10%を合わせた最大で55%を納税する必要がある。

なお、55%の税率が適用されるのは4000万円以上からなので1億円以上の収入があった場合は最大税率の55%が適用され、5500万円の支払いが命じられることになる。

これはつまり、1億円-5500万円=手元に残るお金4500万円となり、半分以上もの金額を税金として支払うことになる。

√雑所得とは?

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得の9ついずれの所得区分に該当しない所得税のこと。

雑所得以外の8つの所得・一覧

♦利子所得:公社債投資信託における分配金、預金、国債、社債の利子など

♦配当所得:株式投資の配当金、投資信託の配当金など

♦不動産所得:アパート、マンション、駐車場などの土地がらみの賃貸収入

♦事業所得:農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの業種から生じる所得

♦給与所得:会社(勤務先)に雇われることによって生じる所得

♦退職所得:会社(勤務先)から払われる退職金

♦山林所得:山林の譲渡によって生じる所得

♦譲渡所得:株式、土地、マンション(アパート)などの建物を譲渡したときに生じる所得

♦一時所得:上記8つの該当しない所得。継続性(反復性)のない一時的な所得

雑所得の計算方法

売却価格-(取得代金+譲渡費用(手数料等))=雑所得

2017年度に確定申告をした人数は?

2017年度に確定申告を行なった人数は2198万人と報告されており、このうちの549人が億り人ということは割合では0.005%にも満たない人数になる。これはかなり幸運の持ち主であるといえる。

しかし、仮想通貨取引所の見解では市場の広まりによって登録者数が増加したことや、ボラティリティ(値動き)を加味すればもっと億り人がいるのでは?との見方もされている。

すなわち、1億円以上もの収入を得ていながら確定申告をしていない人がまだいるということになる。

なお、日本仮想通貨交換業協会が4月10日に既存口座数を発表しているが、この報告によれば、現在、開設されている口座数は各取引所すべて合わせて約350万あるとされ、このうちの268口座の資産額が1億円以上あることを報告している。

ただ、この数字だけみれば268口座に対して331人が確定申告者しているので逆に申告者の方が多い計算になるので整合性がとれない。

2017年度の年間上昇率は1331%!

2018年現在の仮想通貨のボラティリティは、20%から30%が平均といわれているが、たとえば2017年度のビットコインの値動きは特に目をみはるものがあり、2017年6月くらいから徐々に高騰し始め、12月中旬に1BTCが200万円もの値を付けるなど極端な高騰をみせている。

ちなみに2018年5月現在は1BTCが80万円代に低下し80万円から90万円の間を行き来しており、2017年12月と比較すれば半値以下に価値が下がったことになる。ただ、これは先日のビットコインゴールド(BTG)の51%攻撃による流出事件に端を発するものだと考察される。

ビットコインは発行上限枚数が2100万枚と決められていることからマイニングによって生み出せるコインの量が限定されている関係で、これから価値が益々、上昇していくことが予想される。

仮想通貨で1億円以上の収入があって確定申告しなくてもバレないのか?

仮想通貨業界はまだまだ歴史が浅く、法整備が整っていないこともあり、また、国税庁も仮想通貨のシステム(仕組み)をようやく理解してきたとの見解から、すべての申告漏れを見つけるのは難しいと考えることができる。

ただもし、仮想通貨で1億円以上もの収入がありながら未申告であった場合、あまりにも飛び抜けた数字であることから、その証拠を調査するのはそれほど難しくはないといえる。

他に現在の各取引所には「板」とよばれる、いわゆるトレード画面や取引状況の見やすい所と見づらい所があったり、あるいはサイトのデザインに起因したサイト全体の構成においても同様のことが言える。このような理由から取引状況を細かに把握することが困難な状態にあり、税務調査が難航する理由の1つに挙げられられる。

また、現在の仮想通貨業界は業界を大々的にアピールして新規口座開設者を増やすなどの需要を増大させることに駆り立てられており、なかなか細部まで目が行き届いていないことも指摘される。

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