マネックスグループの社長兼最高経営責任者(CEO)である松本大氏が、「みなし業者」の仮想通貨取引所「コインチェック」を6月中に再開する方向で動きをみせていることが報じられている。

2018年4月16日、マネックスは約580億円もの「NEM(ネム)」を流出させたコインチェックを36億円で買収して自グループの傘下(100%完全子会社化)におさめている。

ちなみにコインチェックの買収直後、それまでほぼ横ばいだったマネックスの株価が急騰し、従来の40%ほど上昇している。(400円台→600円台)

コインチェックは現在、金融庁から業務改善命令が出されていてまさに業務改善の渦中にあり、組織再編に向けて動いている。業務改善命令が全面的に受諾されれば、晴れて仮想通貨取引所として許認可が下りる。

なお、現在もコインチェックの公式ホームページでは、新規口座登録(口座開設)や一部の通貨の取引ができない状況にある。

マネックスがコインチェックを買収した主だった2つの理由

1.取引手数料の高さ=利益率の高さ

約580億円もの仮想通貨NEMの流出後、コインチェックは半額返済すらも不可能とまでいわれながらも、驚くことに約460億円もの金額を日本円で補償に充てて顧客に返還している。

そもそもコインチェックが460億円もの資産を構築できた理由として取引手数料の高さがうかがえる。コインチェックの取引手数料は最大で取引する金額の約10%もあることから、莫大な収益を生み出せる収益構造が顕著となり、同時に仮想通貨取引業がそれだけ高い利益率を生み出せる事業だという証明にもつながった。

2.フィンテックを用いたビジネスの強化

マネックスがコインチェックを買収したことによってコインチェックが有する高水準のITスキル(人材)を入手することができる。

現在、大手メガバンクが目をつけているのが仮想通貨のブロックチェーン技術であり、ブロックチェーン技術を核に据えることで、たとえば送金する際の手数料を大幅に削減できた上、従来と変わらない速度での送金が可能になる。

マネックスが目を付けたのも、まさにこのブロックチェーン技術であり、事実、グループ傘下のマネックス証券が仮想通貨取引業への参入を表明しており、金融庁へ登録申請の下準備をしている。

証券取引業一本のマネックスにとって、こういったフィンテック技術を入手できる機会はまたとなく、今後の大きな飛躍の核ともなりうる。

今後のマネックスの展開予定

√若年向けの金融商品の紹介

約170万あるとされる若年層口座を対象として投資信託などの金融商品の紹介(販売)。

√海外展開も視野に

マネックスは今後、さらに米国、香港、オーストラリアなどの海外へ拠点を展開することも表明している。

なお、マネックスが海外を狙う理由としては、株式とは違って特定の証券取引所につないで取引をしなくても良いことから、世界中で展開が可能だからとのこと。

マネックスグループの詳細

市場情報:東証1部
所在地(本社):東京都港区赤坂1-12-32アーク森ビル25階
設立:2004年(平成16年)8月2日
業種:証券、商品先物取引業
事業内容:金融商品取引業等を営む会社の株式の保有
代表者:松本大(取締役会長兼代表執行役社長)
資本金:103億93百万円(2014年3月31日現在)
主要子会社:マネックス証券、マネックス・ハンブレク

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