仮想通貨のボラティリティ(値動き)はFXや株式などと比較すると比べ物にならないほど大きく、1日の値動きを見ていくと10%から30%もの値動きをしています。激しい時は30%近くにも達します。
FXは10%、株式はおよそ10%から20%前後、金は19%ですので、これらと比較すれば倍以上の値動きがあることになります。
多種ある仮想通貨の中でも特にビットコインの値動きが激しいと言われていますが、では、仮想通貨がなぜ激しく値動きするのか?いったい誰が値段を付けているのか?について考察したいと思います。
1.仮想通貨の値段を付けるのは「買いたい!」という動機
まず、仮想通貨の値段を付けているのはいったい誰?という疑問についてですが、結論から言えば「仮想通貨を欲しい!」という人が競り(セリ)を行うように値段を付けています。
ただし、それらの人が何を思って「仮想通貨を欲しい!」と考えたのかも重要です。つまり仮想通貨を購入しようと考えた動機です。
しかしいったいどんな動機があって仮想通貨を購入するのか検討がつきますか?
現在、仮想通貨は純粋にその利便性を見出して購入している人は全体の数パーセントと言われるぐらい、ほとんど「お金儲け」が動機です。
お金儲けが動機なので、90%以上の人が投機目的で仮想通貨を購入していることになります。
投機目的で仮想通貨を購入するので「現在の値段で購入するのがはたして特なのか?」「この後、値動きして下がることはないのだろうか?上がるのか?」などを考慮します。
人は十人十色の性格を持つとよく言いますが、ここで値上がりすると考えた人が現在の価格で購入するか、もしくはそれ以上の値段で購入します。一方、値下がりすると考えた人はもう少し様子を見るはずです。
つまりこの時、値上がりすると考えた人が、仮想通貨の値段を付けていることになります。
2.セリ始まりの値段はどうやって決める??
2014年1月1日に日本初の仮想通貨が公開されました。
どんな通貨かご存知ですか?
日本初の通貨は「モナコイン」です。
2014年1月1日の公開時点で1MONA(モナ)=約3円で取引が開始されています。
ここで、モナコインの将来性を見出した人やこれから値段が上がると予測した人はまずは1モナを3円で購入します。
1モナに3円以上の価値を見出した人は4円や5円などの値段を付けて買いのスレッドを立てます。
この時に3円で購入した人は4円や5円で売りに出せば、差分に儲け(利益)が発生します。
以降はこのように競り合いが続きますが、逆に3円でスタートして買いたい人がいなければ3円以下の値段を付けるか、もしくは現状維持を貫くかのいずれかの選択肢を迫られることになります。
3.些細な世界状勢が影響して価格変動がする
現在、国は日常的に国債を発行して国民からお金を借りていますが、これは国が信用を得ているから出来る行為であって国に信用がなければ国民は国債を買おうとはしません。
仮想通貨は「暗号通貨」とも呼ばれるとおり、デジタル世界の通貨であり法定通貨とは異なりますが、たとえば仮想通貨に補償などの安全性が整備されればその価値はどうなるでしょう?
おそらく「信用が増した」という理由から「欲しい!」と考える人が増えるので値上がりするはずです。また、国が破綻するという噂が流れればその国の法定通貨は紙切れも同然になるので、この場合も仮想通貨を購入しようとする動きが予想されます。したがって値段が高騰することが予測されます。
他には、芸能人や業界の著名人が「この仮想通貨は儲かる」「この通貨は将来性が見込める」と言えば、その発言を聞いた人たちがいっせいに購入することが予想されるので、発言直後にきっと高騰することでしょう。
逆にハッキングなどによって仮想通貨の盗難やシステムに不具合が生じれば仮想通貨の信用度が低下して値段が暴落するはずです。
このように世界情勢や些細な噂、著名人の発言などによって仮想通貨の価格は大きく変動し、これが仮想通貨を投機目的で購入する理由にもつながっています。
4.需要と供給のバランス差で起こる価値の変動
ビットコインの話を例にすればビットコインは2100万枚が発行枚数の上限だといわれています。
そのうち現在、1600万枚ほど発行されてることから残り約400万枚という計算になります。
コインを発行しているのはマイナーと呼ばれる人々(企業や個人)たちで、このマイナーのよるマイニング作業(ビットコインの取引の記録作業)によって日々、コインが生み出されているわけですが、マイニングの量が需要を上回るとどうなるでしょうか?この場合、ビットコインの価値が下がります。逆に需要がマイニング量を上回れば価値が上がります。
このバランスが極端にいずれかに偏るとボラティリティは大きくなります。